肖像権とは?【画像をネット上にアップする前に注意すること】

ブログやSNSの普及で、誰でも簡単に画像投稿ができる時代になりました。

しかし、勝手に人物画像がアップロードされてしまう、という危険も出ています。

以前、「写真(画像)も著作権として保護される?」において画像と著作権について解説しました。

今回は、画像における肖像権について解説します。

肖像権とは

肖像権とは「ある人物を勝手に画像・映像として撮影されない、もしくはそれらを公開されない権利を持つ」ということです。

これは、一般人・著名人に限らず、全ての人間が持っている人権となります。

肖像権は大きく分けて2つ分かれます。

  • プライバシー権
  • パブリシティー権

プライバシー権

プライバシー権とは、ある人物の顔や姿、生活行動を無断で公の場に公開されない権利のことを表します。

パブリシティー権

パブリシティー権とは、著名人の顔・名前で商品を販売する際、その経済の利益・価値を独占できる権利のことを表します。

肖像権問題の範囲はどこまで?

次に、「肖像権問題の範囲はどこまでなのか」について解説します。

肖像権問題になるケース

人物が写った画像が肖像権問題になるケースについては、以下の通りです。

  • 人物が特定できる画像で、かつ「受忍限度論」を超えている画像を被写体の人物の許可なしに公開された場合
  • 著名人の名前やその画像/映像を、第三者が無断使用した商品/サービス等

人物が特定できる画像の場合

基本的にカメラやスマホなどで人の顔が写った場合であっても、撮影するだけでは肖像権問題にはなりません。

一般的に人物画像が肖像権問題になるケースとしては、「ある人物が特定でき、かつ『受忍限度論』を超えている画像/映像」の場合に限られます。

ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。

引用元:和歌山毒物カレー報道事件 -  最高裁平成17年11月10日判決文

つまり、

  • 撮影された人物が持っている社会的地位
  • 撮影された人物における活動内容
  • 撮影場所
  • 撮影目的
  • 撮影時の様子
  • 撮影の必要性はあるかどうか

を総合的に判断し、それらが「社会生活上における受忍限度が超えている」場合は、肖像権問題に繋がります。

そのため、明らかに人物が特定でき、かつプライベートな内容を含む画像/映像の場合、第三者がその人物の許可無しに無断公開すると、肖像権問題に発展する恐れがあります。

著名人の画像を無断で商品化してはダメ!

また、芸能人やスポーツ選手などの著名人の画像を勝手にSNSなどでアップロードしたり、著名人の写真を無断で使用してグッズ化したりする行為は、プライバシー権の他にパブリシティー権の侵害にも繋がります。

肖像権問題にならないケース

ただし、以下のように「肖像権の侵害にならないケース」もあります。

  • その人物が特定できない画像の場合
  • その人物から同意があった場合
  • 私的利用で楽しむ場合

その人物が特定できない画像の場合

人物が後ろ姿で撮影された、人の顔が写っていない画像など、明らかに人物が得的出来ない画像の場合は、基本的に肖像権の問題にならないことが多いです。

その人物から同意があった場合

被写体に写っている人物から肖像権の許可が取れている場合は、その写真をアップロードしても問題ありません。

その場合は、どのような場所に公開するか、どのような用途で使うかについても写真と共に記載した方が、その後のトラブルが少なくなります。

また、「第三者から写真の削除要請があった場合は、その要請に応じる」等の旨も添えておくと良いでしょう。

私的利用で楽しむ場合

人物画像を公開しないで、自分だけで楽しむ場合であれば、肖像権問題にはつながりません。

画像を投稿する場合は、必ず肖像権に配慮を

街の風景やイベントなどで大勢の人が写った画像の場合、画像に写った人全員に許可を取ることは難しいです。

しかし、人の顔が写った画像を勝手にブログやSNSなどでアップされると、それを見た人がプライバシーなどの不安を感じてしまうかもしれません。

そのため、画像をブログやSNSなどにアップする場合は、同時に肖像権にも配慮しておきましょう。

ポイント
  • なるべく人が写らないように工夫して撮影する
  • モザイクやトリミングなど、人が写らないように加工する
  • 写真加工が難しい画像はネット上にアップしないこと

なるべく人が写らないように工夫して撮影する

写真撮影をする際は「なるべく人が写らないように工夫して撮影する」ことです。

観光地や風景を撮影する場合は、なるべく空いている時間帯で撮影するなど、画像に人が写り込まないように工夫すると良いでしょう。

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みきてぃ東西線

もちろん「立ち入り禁止区域に入らない」「フラッシュ撮影をしない」など、撮影マナーも心掛けてね!

モザイクやトリミングなどの画像加工をする

どうしても人が写ってしまった場合は、モザイク加工をする、画像の一部をトリミングをするなど、人が写らないように画像加工することも大事です。

写真加工が難しい画像は公開しない

どうしても加工が難しい画像は、その画像をサイトやブログ、SNSに公開しないことも1つです。

私の場合

私の場合、サイトやブログにアップする画像については、なるべく人や車のナンバーが写らないように撮影を心掛けています。

ただ、撮影場所によってはどうしても人物や人の顔が写り込んでしまうことはあります。

その場合では、画像編集ソフトを使って人の顔や車のナンバーにモザイクをかけたり、画像のトリミングを行ったりして、なるべくトラブルが起きないように注意しています。

サイトやブログでは不特定多数の方が閲覧するため、たとえ、私が行ったハイキング先の画像であっても、自分が撮影した画像に写り込み時のプライバシーに配慮し、モザイクなどの画像加工を行っています。

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自分で撮影した画像をネット上にアップする際は、プライバシーにも気を付けなければいけないよね。

よくある質問

最後に、肖像権における「よくある質問」について解説します。

犬や猫などの動物の顔も肖像権として認められる?

犬や猫などの動物の顔は、肖像権の対象にはなりません。

肖像権は人にしか認められない権利であり、犬や猫などの動物はあくまでも「物」にしか過ぎないからです。

たとえ、ある犬や猫がネット上などで有名になったとしても、著名人と同様に肖像権として認められることはまずありません。

ただし、ペットの犬や猫が撮影された場所が、他の方から特定できるような場所(例:自宅のお庭から)だと、撮影者のプライバシー侵害の恐れがありますので注意しましょう。

人の似顔絵やイラストも肖像権として認められる?

人の似顔絵やイラストであっても明らかに特定の人物と分かる場合では、その似顔絵やイラストも肖像権として認められる場合があります。

また、特定の人物の有無に関わらず、似顔絵やイラストには各権利者の著作物として帰属されるため、人の似顔絵やイラストを無断でネットなどにアップロードすると、著作権法の違反に繋がります。

そのため、人の似顔絵/イラストをグッズとして販売する場合は、念のため似顔絵やイラストの元となった人物から許可を取るようにしましょう。

まとめ

というわけで、今回は肖像権のことについて解説しました。

ブログやSNSでは気軽に画像をアップロードができる反面、知らぬ間に肖像権を侵害してしまうことも少なくありません。

画像を公開する前に、その画像に写り込んだ人物の肖像権に引っかからないかどうかよく確認し、必要に応じてモザイクやトリミング加工など、画像に写った人物のプライバシーにも配慮しておくことが大切です。

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